その18 カジキとトビウオ(前編)

面と向かって話すのも、ままならぬ。

これが新しい生活様式かと、

半分あきらめているところに、

ある魚が思い浮かんだ。カジキだ。

 

カジキのくちばしは、

異常なほど長く鋭い。

面と向かって話すのに、邪魔になる。

危なくてしょうがない。

折り畳んで欲しいものだ。

 

そもそも何でそんなに長いのか。

てっきり、漁師が銛を使うように、

獲物を突き刺すのかと思ったが、

実際は、こん棒のように振り回し、

獲物を打ち負かすのが本当らしい。

確かに、先端に刺さった獲物を、

どうやって口まで運ぶのか、悩んでしまう。

焼き鳥を食べるようにはいかない。

実はこのくちばし、

人間でいうと上唇が伸びたもの。

正確には吻(ふん)と言う。

 

さて、この吻に獲物が引っかかってしまった。

サーッ。何物かが飛んできた。

トビウオが獲物をかすめ取って行った。

こんなアニメあったような………。

 

(続く)