その2 フライング・フィッシュ

生き物の名前には、

ユニークなものが多い。

 

動物のフンを転がして運ぶ『フンコロガシ』。

コガネムシの仲間だ。

木の上で寝てばかりの『ナマケモノ』。

南米に生息する哺乳類。

誰が名付けたのか、余程のセンスの持ち主だ。

そのおおらかな命名に感服する。

 

名は体を表す。

『トビウオ』もこの系列上にある名前だ。

『トビウオ』を英語で『FLYING FISH』。

世界共通、完璧なシンクロナイズ。

「Oh! That's a fly……flying fish!」と

どこかの海で、誰かが叫んだのかもしれない。

「おお! あれは飛ぶ……飛び魚だ!」と

叫んだ日本人がいたのかもしれない。

あのバタバタバタと、健気に飛ぶ姿は、

誰の目にも『トビウオ』だったのだ。

ここまで、名が体を表している生き物は、

おそらくいない。